「10坪の狭小住宅」ってどんな家?広さや間取り・快適に暮らす工夫と注意点

「10坪の狭小住宅」ってどんな家?広さや間取り・快適に暮らす工夫と注意点

10坪の土地に建てる狭小住宅って一体どんな間取り?
超狭小住宅でも快適に暮らすための工夫や注意点って何?

手元にある土地に新たな住まいを新築しようと考える方、都市部の利便性の良い暮らしを計画してあえて10坪前後の狭小地を探している方も、「10坪の狭い土地にどんな狭小住宅が建てられるのか?」気になっている方も多いのではないでしょうか?

10坪の敷地面積といえば、畳でいうと20畳ほどの広さでおよそ1DKくらいのイメージ。『そんな狭い土地に家を建てられるの?』と思うかも知れませんが、住宅が密集する都市部では決して珍しくはありません。

ただし、一般的な注文住宅を建てるのとは違って、建ぺい率や容積率といった土地制限の問題をはじめ、狭くても快適に暮らせる間取りの工夫・収納アイデアなど、狭小地のポテンシャルを引き出すハードルの高い施工が必要になります。そのため、10坪の狭小地を有効活用するための予備知識を備えておくのがとても大切です。そこで今回の記事では、

  • 10坪の土地はどれ位の広さ?建ぺい率60%で建てられる敷地面積は?
  • 敷地面積10坪に建てられる狭小住宅はどんな間取り?
  • 10坪の狭小住宅で快適に暮らすための工夫・注意点は?

10坪の敷地に建てる狭小住宅」をテーマに、狭小地を上手く活用した間取りの実例や10坪以下の超狭小住宅について、10坪の狭小住宅で快適に暮らす間取りの工夫や注意点などご紹介します。

10坪の土地ってどれ位の広さ?畳だと何畳??

住まいや土地の情報を探しているとき、「坪」「㎡」「畳」といった、広さを表す単位を見かけます。全国的に使われる”江戸間”のサイズで換算すると「1坪=約畳2枚分」の広さ、「1㎡=約0.3坪」になります。

では、「10坪の土地」とは一体どれ位の広さになるのでしょうか?10坪を畳で換算した広さのイメージに加えて、よく見かける「建坪」とは何か?「建ぺい率60%」の条件で建てられる家の広さを解説します。

10坪の広さは畳(江戸間)で「約20畳」ほど。

10坪(33.06㎡)を一般的な「江戸間」の畳で換算すると、その広さは「約20畳」ほど。マンションやアパートの間取りでいうと、およそ1DKくらいのイメージが近いです。(乗用車2台分を停められる位のスペース)

坪数 畳(江戸間)
8坪 26.45 ㎡ 17.08 畳
10坪 33.06 ㎡ 21.36 畳
12坪 39.67 ㎡ 25.63 畳
15坪 49.59 ㎡ 32.03 畳

ちなみに、一言に「畳」といっても、その地方によって規格のサイズが微妙に異なります。関西地方でよくみられる「京間」、中京・東北・北陸地方でみられる「中京間」、主に関東地域でみられる「江戸間」などです。 それぞれのサイズは、「京間 ⇒ 中京間 ⇒ 江戸間」の順番で小さくなるので、『この土地は●●畳ほどの広さ』といった会話になった場合は、畳の規格をまず確認するようにしましょう。

「建坪10坪」ってどういうこと?

「●●坪」や「■■㎡」という単位の他にも、「建坪」という言葉を目にしたことがあると思います。『建坪で10坪、坪単価は50万円』といった使われ方をされますが、この「建坪」とは一体どの部分の面積を指しているのでしょうか?

建坪とは、土地の中に占める建物の面積(坪数)のこと。建物を真上から見たときの水平投影面積「建築面積」を坪数に換算したものを「建坪」と呼ばれています。

建坪・建築面積とは?

つまり「建坪10坪」とは、上記画像の「青色」で示された「建物面積」のことで、平米数「33.06 ㎡」を坪数にしたものです。ちなみに、よく耳にする「延床面積」と混合してしまいそうですが、

「延床面積」とは?
延床面積とは、建物の各フロアの床面積を合計した面積のこと。2階建ての場合、1階と2階の床面積を足した合計が「延べ床面積」です。
「建坪」とは?
建坪とは、土地の中に占める建物の水平投影面積(建築面積)を坪数に換算したもの。施工会社によっては「1階床面積の坪数」という意味で使われるケースもあります。

「延床面積」と「建坪」、その意味合いは大きく違うので混合しないようにしましょう。また、この建坪という言葉、建築基準法に定めらた明確な基準がなく、施工会社によって「建坪=1階床面積の坪数」と微妙にニュアンスの違う使われ方もされます。正しくは「建築面積」という言葉を使って正確な数値を求めることができます。

「敷地面積10坪・建ぺい率60%」の条件で建てられる家の広さとは?

苦労して見つけた10坪の限られた敷地、誰だってスペースの隅々まで使って理想のマイホームを手にしたいと考えますよね?しかし、土地にはさまざまなルールが定められていて、敷地すべてを建物のスペースに活用することはできません。その代表的なルールが「建ぺい率」です。

建ぺい率とは?

「建ぺい率」とは、敷地面積に対する”建築面積の比率”のことで、土地・建物を真上からみて土地に対する建物の広さをこの比率で制限しています。例えば、敷地面積100㎡の土地が「建ぺい率50%」と制限されていた場合、建築面積(1階の床面積)は50㎡までとなります。
この建ぺい率をはじめ、建物の大きさや広さを制限するルールについては、「「建ぺい率・容積率」とは?土地・建物の規制や制限について」で詳しく解説しています。この記事と合わせてチェックしてみて下さい。

さて、「敷地面積10坪」に対して「建ぺい率60%」のルールが課せられていた場合、建てられる家の広さは『10坪 × 60% = 6坪』と計算されて、建物の一階部分が占めるスペース「建築面積」はわずか「6坪」となります。

「敷地面積10坪・建ぺい率60%」の条件で建てられる家の広さとは?

10坪の敷地に建てる建坪6坪の家」、この数字と字面だけみると小さくコンパクトな家を想像してしまいますが、このわずか6坪の建築面積を無駄なく活用して、タテの空間に2階、3階のフロアを組み合わせていきます。たとえば、

敷地面積 10.02坪(33.13㎡)
建ぺい率・容積率 60%・120%
・1階床面積 5.82坪(19.25㎡)
・2階床面積 5.82坪(19.25㎡)
・3階床面積 3.13坪(10.35㎡)
延床面積 15.27坪(50.50㎡)

わずか6坪の建築面積でしたが、そこに2階・3階と居住スペースを増やしてみると、当初の印象とは大きく違って見えるのではないでしょうか?いわゆる「超狭小住宅」と呼ばれる建坪の小さい家が上記のような間取りです。

10坪前後の敷地に建てる狭小住宅の間取り

10坪前後の狭い敷地に家を建てる場合、一体どんな間取りに仕上がるのでしょうか? 先ほどご紹介したようなタテの空間を活かした「3階建て狭小住宅」が一般的で、1階フロアを駐車場にした「狭小ガレージハウス」、お一人からご夫婦二人暮らしにピッタリの「小さい平屋」など、その間取りのバリエーションもさまざまです。
その中でも、10坪前後の狭い敷地を有効活用した狭小住宅の間取りをご紹介します。

14坪・狭小2階建て住宅の間取り

14坪・狭小2階建て住宅の間取り「1階」
14坪・狭小2階建て住宅の間取り「1階」
14坪・狭小2階建て住宅の間取り「2階」
14坪・狭小2階建て住宅の間取り「3階バルコニー」
施工会社:
中鉢建設
延床面積:
28.45坪(94.05㎡)
建築面積:
13.85坪(45.79㎡)
間取り:
2階建て/5LDK
本体価格:

出展:中鉢建設

上記の画像は、横浜・川崎を中心に狭小住宅を提供する住宅メーカー「中鉢建設」の間取りプラン。建坪14坪の狭小地に建てた2階建て狭小住宅の間取りです。わずか14坪の限られた敷地でありながら、5つの洋室を確保して5畳のバルコニーも備えた生活スペース十分な間取りが大きな特徴。テレビ東京系列で放送された住宅ドキュメンタリー番組「完成!ドリームハウス」で、中鉢建設が施工した家が放送されたこともあります。

10坪の狭小ガレージハウスの間取り

10坪の屋根付きガレージハウスの画像「外観」
10坪の屋根付きガレージハウスの画像「外観」
10坪の屋根付きガレージハウスの画像「ガレージ」
10坪の屋根付きガレージハウスの画像「リビング」
10坪の屋根付きガレージハウスの画像「リビング」
10坪の屋根付きガレージハウスの画像「屋上」
施工会社:
M-LINE
延床面積:
22.5坪(84.37㎡)
敷地面積:
10.6坪(35.05㎡)
間取り:
3階建て/2LDK
本体価格:
2,000 万円2,499 万円

出展:SUUMO

わずか10坪の狭小地に建てた3階建て屋上付きガレージハウス。1階を愛車のためのオープンスペースにして、駐車スペースと整備コーナーに。2階を主寝室と廊下収納、3階は天井の高いLDKの間取りに設計。1階のガレージハウスに7帖ほどの屋上スペースと、狭小住宅でありながら十分なプライベート空間を確保したライフスタイル重視の間取りが大きな特徴。「屋上スペース+インナーガレージ」ということもあって、本体価格は2,000万円~と一般的な注文住宅と変わらない位の価格帯に。

12坪・小さな平屋の間取り

12坪・小さな平屋の間取り「外観」
12坪・小さな平屋の間取り「外観」
12坪・小さな平屋の間取り「玄関」
12坪・小さな平屋の間取り「リビング」
12坪・小さな平屋の間取り「キッチン」
12坪・小さな平屋の間取り
施工会社:
株式会社フィット
延床面積:
12.02坪(39.72㎡)
敷地面積:
12.02坪(39.72㎡)
間取り:
平屋/1LDK
本体価格:
438 万円(税込)

出展:FIT BOND

お一人様・夫婦二人暮らしにちょうどいい12坪・小さな平屋の間取り。寝室にウォークインクローゼットを併設した収納力、キッチン横の多目的スペースなど、真四角のスペースを無駄なく活用した暮らしやすい間取りが大きな特徴。予め間取りや設備の仕様が決められた「規格住宅型プラン」にすることで、建築コストを安く抑えて提供されています。

都市部なら「8坪」の敷地に「3坪~5坪」の超狭小住宅を建てるケースも。

敷地の限られた都心部のコンパクトハウスの中には、建坪10坪以下の「5坪~8坪」といった超狭小住宅を建てるケースも。建坪「3坪~8坪の超狭小住宅」とは一体どんな間取りなのでしょうか?実際に建てられた間取り事例を使ってご紹介します。

「超狭小住宅」ってどんな家?建坪「5坪」の超狭小住宅の間取り

超狭小住宅の間取り「外観」
超狭小住宅の間取り「外観」
超狭小住宅の間取り
超狭小住宅の間取り
超狭小住宅の間取り
超狭小住宅の間取り
施工会社:
建築システム
延床面積:
10坪(34.76㎡)
敷地面積:
8坪
間取り:
木造2階建て
本体価格:

出展:イエタテ

「敷地面積8坪」「建ぺい率60%」の条件下で建てた建坪「5坪」の超狭小住宅。1階に水回り2階を居間と寝室+ロフトスペース、限られたスペースを極限まで有効活用した間取りに仕上げられています。狭さを感じさせないシンプルで落ち着きのあるデザイン。

「約10坪の狭小住宅」価格の目安はどれ位?

立地の条件や設計内容によって大きく違ってきますが、約10坪の狭小住宅の価格相場は「2000万~2500万円」が目安とされています。また坪単価でみると「50万円~100万円」ほど。

坪単価でみると割高に見えてしまうかもしれませんが、「土地代+建物代」のトータルコストでみれば一般的な注文住宅と比べるとローコストに家を建てることができます。狭小住宅の価格や費用については、下記のページに詳しくまとめています。こちらも合わせてご覧になってください。

狭小住宅の価格が分かる!坪単価の目安や価格相場について

10坪の狭小住宅でも快適に暮らすための工夫や注意点

冒頭でもお伝えしたように、10坪の狭小住宅を建てるには建ぺい率や容積率といった土地制限の問題をはじめ、狭いスペースでも快適に暮らす間取りの工夫・収納アイデアなど、狭小地のポテンシャルを引き出す独自の施工を必要とします。

では、10坪の狭小住宅でも快適に暮らすための工夫や注意点とは一体どんなことでしょうか?4つのポイントに絞ってご紹介します。

十分な生活空間を作れるか?建ぺい率や容積率の条件をチェックする

「敷地面積10坪・建ぺい率60%」の条件で建てられる家の広さとは?」でも触れましたが、土地には建てられる建物の大きさや広さを制限するルールがあります。その代表例が「建ぺい率」と「容積率」です。

「建ぺい率」とは、敷地面積に対する”建築面積の比率”のことで、土地・建物を真上からみて土地に対する建物の広さをこの比率で制限しています。また「容積率」とは、敷地面積に対する”延床面積の比率”のことで、土地の広さに対して各フロアの合計面積をこの比率で制限しています。
たとえば、敷地面積100㎡の土地が「建ぺい率50%」「容積率80%」と制限されていた場合、建築面積(1階の床面積)は50㎡まで、各フロアの延床面積を合計して80㎡までに抑える必要があります。

苦労して手にした自分の土地だとしても、自由に家の広さ・高さを決められる訳ではありません。隣家との距離や建物の高さ制限、耐震強度の問題など、これら土地・建物の制限がより厳しいハードルとなることを予め知っておきましょう。

「建ぺい率・容積率」とは?土地・建物の規制や制限について

超狭小地・変形地に対応できる工務店・住宅メーカーに依頼する

地元の工務店や設計事務所、有名ハウスメーカーなど、一般的な狭小住宅に対応してくれる会社は数多く存在します。しかし、10坪前後の超狭小地・変形地に家を建てるとなるとその依頼先は随分と限られます。

たとえば、受注件数の多い大手ハウスメーカーの場合、原価コストを抑えながら品質を安定するために、ある程度の規格化した住宅プランを主力商品としています。そのため、狭小地や変形地といった特殊な土地形状に対応できないケースがあるのです。

家づくりの依頼先を探す際は、狭小地・変形地にも対応する実績ある住宅メーカー・工務店を選ぶようにしましょう。また、土地の形状や広さ、周辺地域の条件を伝えたうえで、間取りプランの提案や建築事例のモデルケースを出してもらうのも有効です。

使い勝手のいい生活動線・家事動線の間取りをプランニングしてもらう

10坪の限られた敷地に家を建てようとした場合、高さを活かした3階建て(2階建て)で生活空間を確保するケースが多くなります。3階建ての狭小住宅といえば、各フロアで生活空間を分けて暮らせる優れたメリットがある一方で、階段をつかった上下移動は家事動線や生活動線の不便さを感じるデメリットも生んでしまいます。

◆生活動線や家事動線を意識した間取りの工夫
  • 水回りの設備をできるだけ近くにまとめる。
  • 生活動線を家事の邪魔にならないルートにする。
  • 家事動線はできるだけ移動距離を短くする。

生活動線」と「家事動線」、この二つの動線がどのように機能的に配置されているかどうかで住まいの快適さは大きく違ってきます。ストレスフリーで快適に暮らせる理想的な間取りをプランニングしてもらうようにしましょう。

狭い家でも広く使える間取りの工夫・収納のアイデアを提案してもらう

狭小住宅のデメリットの多くは、設計時の「間取りの工夫」や「収納アイデア」を取り入れることで、狭い家でも広く使える快適な空間をつくることは可能です。たとえば、

◆狭い家を広く使う間取りのアイデア・収納の工夫
  • 部屋を細かく区切らず開放的な間取りにする。
  • スキップフロアで高さと奥行を有効活用する。
  • 開口部を大きくして採光を確保する。
  • デッドスペースを活用して収納スペースを確保する。

などです。10坪前後の狭小住宅を建てた場合、各フロアはどうしても手狭になりがち。しかしその一方で、各フロアを用途別にまとめることができるため、間取りの工夫や収納のアイデア次第で「意外と使いやすい」「スッキリした間取り」にすることができます。

狭小住宅の間取りアイデア・快適空間をつくるスペース活用の工夫

まとめ:立地条件にこだわる方にオススメ!10坪の狭小住宅の暮らし。

10坪の狭小住宅」をテーマに、狭小地を上手く活用した間取りの実例や10坪以下の超狭小住宅について、快適に暮らす間取りの工夫や注意点などご紹介してきました。

手狭なイメージを持たれていた方でも、限られた敷地を活かす優れた工夫とアイデアがあれば、快適に暮らせる理想的な住まいづくりが可能なことが伝わったかと思います。とくに、

  • 十分な生活空間を作れるか?建ぺい率や容積率の条件をチェックする
  • 超狭小地・変形地に対応できる工務店・住宅メーカーに依頼する
  • 使い勝手のいい生活動線・家事動線の間取りをプランニングしてもらう
  • 狭い家でも広く使える間取りの工夫・収納のアイデアを提案してもらう

狭小住宅を数多く手掛けていた工務店・ハウスメーカーに相談するようにして、土地の条件や形状、周辺環境に合わせたプランニングを出してもらうのがいいでしょう。立地条件にこだわった理想的な家づくりを目指してください。